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SWS 1/32 Do 335 横浜組み立て日誌 その2

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こんにちは、横浜ショールームの☆野です。
前回から始まったSWS『ドルニエ Do 335 A-0 プファイル』のサンプル紹介。
これから各ブロックごとにサンプル写真を交えて解説させていただきます。

では、まずエンジンの組立から入りましょう。
Do 335は液冷式エンジン。
レシプロ機のエンジンは、大別して2種類のエンジンがあります。
飛びながら風を直接エンジンに当てて冷やす『空冷エンジン』と、機体内に循環パイプをめぐらして、やはり飛びながらラジエーターから冷たい空気を取り込んで、冷やした水でエンジンを冷却する液冷エンジンです。
(冷やした水は、エンジンを冷ます際に熱を持ってしまいますが、それをまたラジエーターで冷やして・・・と循環させるシステムです)

戦闘機の場合、一般的に空冷のほうが生産が楽で、整備もし易いですが、液冷だとエンジンが細長く、空気抵抗の少ない機体を作れるので高速化させやすいと、お互いに一長一短があります。
『ドルニエ Do 335 A-0 プファイル』は、機首の形が空冷機のようになっていますが、これは機首にラジエーターを搭載しているためであって、実際は液冷機です。
(機首横に一列に並んだ排気管や機体のどこかに付いているラジエーターが液冷機の証)
Fw 190 D-9やTa 152などがこの形状を採用していますね。

さて、ではランナーのパーツを見てみましょう。

これはエンジンの内部のモールドです。
ピストンがガッシュガッシュ動いているようにモールドされているのは、エンジン内部のクランクシャフトです。
SWSを既にいくつか組んだことがある方なら毎度おなじみ。
しかし、SWSを未だ組んだことがなくて、飛行機プラモに詳しい方は、ちょっと驚き呆れるのではないでしょうか。

『ここまでやるか・・・?』

これはパーツが増えて組むのが大変になるわけでなく『本物を再現する』遊び心から来たモールドです。
最終的に見えなくなるので、塗装をオミットしても構わない部分ですが、これぞ我々の提唱する『組み立てながら本物を体感する』というスピリットの現れなのです。

さあさあ、それじゃあひとつ、エンジンを組み立ててみようではありませんか。

ドン!これがDo 335の液冷エンジン(前側)です。
むう、このまま飾っておきたいくらいですね。
ちなみに先端の突起は、30ミリモーターカノンの発射口です。
Do 335は30ミリ機関砲1門、20ミリ機銃2丁を機首に集めていますが、30ミリ機関砲はエンジンを貫通してプロペラ先端から発射される『同軸機関砲』となっています。
液冷エンジンは、クランクシャフトが入ったシリンダーバンクがV字型に入っているので、その隙間をぬって機関砲を一本通すことが出来るのです。

ちなみにこれを『モーターカノン』と呼び、最初に開発したのはフランスでした。
フランスという国は、いつも色々なアイデアを生み出し、戦史上の発明を沢山輩出しています。
ところが、そのアイデアは見事に空回り。本家フランスのモーターカノンは上手く行かず、実際にキッチリ運用したのはドイツとソ連だけでした。
このモーターカノンは、『機体の中心軸』に砲を置くため、発射時のブレが少なく命中率が高くなるという長所があります。
30ミリ砲など大型の砲ならばなおさらですね。
日本などもこのモーターカノンに一時着目したことがありましたが、その構造の複雑さが割に合わず、諦めた経緯があります。

さあ、SWS初期シリーズを作ってきたご同輩。
より細密となったディテールをご覧ください!

これはエンジンの底面です。
これを全てプラスチックで再現していることをほめて欲しいなぁ〜。
特に同じくドイツ液冷戦闘機であるTa152シリーズを組み立てたことがある方には、より一層ディテールを極めたDo 335の造型に着目していただきたいです。

このDo 335は、従来型のオーソドックスな機体(Ta 152や雷電など)と比べ、見どころや内部構造が2倍くらい『てんこ盛り』となっています。
そして、最新造型に相応しい、より細密な造型が施されています。

そのため、『SWSを組み立てて、実機さながらの構造を楽しめた』という方に、従来機とは一線を画する特異な構造に『普通の機体とまるで違う!!』と新たな感動を、パーツの一つ一つが訴えかけてきます。
これからは、それらを少しずつ公開してゆきます。
次回は、レシプロ機には珍しい『射出座席』をご紹介いたしましょう。

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それでは、また次回お会いしましょう!