こんにちは、横浜ショールームの☆野です。
横浜ショールームはスケールモデルを充実取扱中!
それだけでなく、入れ替わり制で日々お客様の完成品がショーウィンドウを彩ります。
さて、そんなお客様の制作したスケールモデル完成品を随時ご紹介してゆきます。
今回の作品はこちら!
ホビージャパン最年少ライター・高校生モデラーの『K-5』さんによる作例です。
先日ご紹介した『定遠』と因縁浅からぬ作例となります。
もう・・・!
もうため息しか出ないような圧巻の情報量!
1/700の第二次世界大戦駆逐艦より短い全長に集約された信じがたいほどのディテール。
今、横浜ショールームでは若き天才モデラーの努力とセンスと才能を目のあたりにすることが出来ます!
三景艦。
中国の東洋最強戦艦『定遠』『鎮遠』に対抗するべく、三隻の巡洋艦に1門ずつ、定遠以上の巨砲を搭載することで対抗しようと考えた軍艦です。
名前が各々日本三景から取られていることで『三景艦』と俗称されました。
松島はその1番艦にして、連合艦隊初代旗艦。
以前掲載した『定遠』は定遠型1番艦にして北洋艦隊旗艦。
そして、『定遠』級を打ち破るべく建造し、黄海海戦にて直接対峙した、まさしく『宿命のライバル』な訳です。
今、横浜ショールームにはこの超絶ディテールで作られたライバル同士2隻が並んでいるのです!
さて、それではディテールを見ていただきましょう。
先に言っておきますが、これ1/700ですからね!
駆逐艦より全長の小さいフネですからね!
この写真はかなりアップで撮られていると思ってご覧ください。
ふぉおおお〜〜〜・・・
情報量が多すぎて、何から説明したら良いか迷う・・・!!
え〜っと、清の『定遠』がドイツに作ってもらったように、日本もまだ自力で主力艦を作る力がなかったので、この頃はフランスに頼んでこの三景艦を作ってもらいました。
フランス艦の特徴は、舷側が土瓶のように膨らんだタンブルフォーム(船体が下膨れに曲面を描いています。こうすることで、フネの重心を下げて安定性を高めている、木造船以来のデザインです)を採用していること。
そして、舷窓扉が四角くて上に跳ね上げ式なことです。
というわけで、『キットの窓を全部削り取り、孔を空け、プラペーパーで跳ね上げた扉を取り付けた上で、その保持用の鎖を伸ばしランナーで逆Y字に加工して取り付けています』!!!
副砲の上下式扉も同じように加工されていますね。
その他、ボートダビット、手すり、アンカー、魚雷防護網展張ブームなど細部に丁寧に丁寧に加工が施されています。
キットは『日露戦争時』を再現しているのですが、この作例は『日清戦争時』を再現しているため、細かな部分に変更が加えられ、資料に基づき正確に再現されています。
さて、もう一度申し上げますが、この写真はアップで撮られています。
舷窓扉の逆Y字のディテールなどは、肉眼では確認困難なほど細密!
是非現物を見て欲しいです。
このショットは、ある部分を見ていただくために撮影しました。
それは艦首飾りです。
菊の御紋の様式は、時代によって変遷されているわけですが、日清戦争のころはご覧の通り装飾華やか。
それが見事再現されています。
ところで、先に言ったようにキットは『日露戦争時』のもので、本作品は日清戦争時。
つまりキットにはこの装飾は入っておらず、これはなんと銅線を編み込んでの自作パーツなのです!
ちなみに1/700スケールです・・・
いかにスゴイかは、現物を見ると分かります。だって見えないくらいですもの!
ついでに、菊の御紋の上の防盾付きの砲。この砲の現物は八脚で支えられているのですが、それが見事再現されているのです。
この写真はアップだからディテールがわかりますが、現物の細密さといったら、もう・・・!
それでは制作者様のコメントです。
いや実際、今紹介した細部は、見どころのほんの一部。
艦中央中甲板にある牛舎の再現(当時は食用に牛を艦内に飼っていたそうです)、立体的に取り付けられたアンカーや艦尾のスタンウォークなど、この小さな船体に、あらん限りの見どころと技術が投じられています。
只今こちらの完成品は横浜ショールームに展示中です。
ぜひ実物の素晴らしさを、店頭にてご確認ください!
それでは次の作品のご紹介でお会いしましょう!