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SWS 1/32 Do 335 横浜組み立て日誌 その7

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こんにちは、横浜ショールームの☆野です。
今週もSWS『ドルニエ Do 335 A-0 プファイル』をご紹介していきます。

今回は『ドルニエ Do 335 A-0 プファイル』の特徴の一つである「二基目のエンジン」と、ドイツの技術力を象徴する特殊な「延長軸」をご覧いただきます。

まずは後部エンジン。これが後ろのプロペラの動力になります。

前のエンジンはプロペラシャフトが前側についていて、後ろのエンジンは尾翼を回すために後ろ側にプロペラシャフトを伸ばしています。
つまり、この二機のエンジンは、お互いに“ソッポを向く”形で配置されています。

ということは、プロペラの回転が互いに逆方向になるということですね。

実はこの構造もまた、『ドルニエ Do 335 A-0 プファイル』の高速性能を引き出すギミックなのです。
「二重反転プロペラ」というプロペラをご存知でしょうか。
馬力の大きい飛行機の場合、プロペラの回転する力が強すぎて、“機体が回転方向に引っ張られてしまう”ということがあります。
それを防ぐために(トルクを打ち消すために)、互いに逆方向に回るプロペラを2枚重ねて回すプロペラのことです。

二重反転プロペラは、一つのエンジンで“一枚を通常通りに、もう一枚はギアを逆に噛ませて”回す仕組みですが、この『ドルニエ Do 335 A-0 プファイル』は機体全体を挟み込み、2つのエンジンで逆回転させる事で成立する「壮大な二重反転プロペラ」的なものといえます。
このおかげで、『ドルニエ Do 335 A-0 プファイル』はものすごい高速を出すために積まれた2つものエンジンを持ちながら、非常に安定した状態でとんでもないスピードを発揮できた訳です。

さて、お次は後部エンジンから伸びる「延長軸」です。
これがまた、当時の良く出来た技術で作られているんですよ!

ラジエーターの上に伸びた一本の棒。パーツにすると1パーツ。
「なんだい、全然大したことないじゃないか」なんて思わないでください。

この変哲もない「棒」をよく見てください。2箇所、ぷっくりと膨らんだ部分があります。
これがこの延長軸のポイントなのです。

パーツでは1パーツですが、実際はこの棒は3つの棒で構成されていて、2箇所の「関節部」があるという構造です。
飛行機というものは、飛びながら旋回したり上昇下降したりすると、機体が僅かに“しなり”ます。
そうすると、一本の棒だとその“しなり”についてこれず、ガタガタブレてしまい、機体の安定を損ねてしまいます。
そこでドイツが考えたのは、現在で言うところの「ユニバーサルジョイント」を関節部として組み込み、少々機体が曲がっても、延長軸が追随して曲がり、しかも安定してプロペラを回すような仕組みを作ったのです。

むぅ・・・延長軸の開発に色々悩まされた日本からすると、この技術力の高さに嫉妬!
それでは延長軸をエンジンに繋げましょう。

この配管がゴチャゴチャした感じ、単純に立体物としてもカッコよいですね(笑)

後部エンジンから延長軸を伸ばし、後ろのプロペラを回す。
その近辺にエンジンを冷やすラジエーターがある。
うむ、構造もよく分かります。組み立てながら「なるほど、こういう風になっているんだ」と理解が深まるのもSWSの楽しみですが、『ドルニエ Do 335 A-0 プファイル』はギミックがてんこ盛りなので、本当に飽きが来なくて興味が尽きません。

さて、次回は翼の内部構造をご紹介します。
『ドルニエ Do 335 A-0 プファイル』は、翼に至るまで従来の機体と比べて一風変わった構造をしています。とことん凝った機体ですよね。

SWS『ドルニエ Do 335 A-0 プファイル』は、『コンセプトノート』やアフターパーツ共々、ボークス各ショールームにて好評発売中。
それでは、また次回お会いしましょう!

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