横浜ショールーム

お客様のスケールモデル作品紹介 ホビージャパン掲載作品『初櫻』

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こんにちは、横浜ショールームの☆野です。

横浜ショールームはスケールモデルを充実取扱中!
それだけでなく、入れ替わり制で日々お客様の完成品がウィンドウを彩ります。

さて、そんなお客様の制作したスケールモデル完成品を随時ご紹介してゆきます。

今回の作品はこちら!

先月、ホビージャパン作例『初代 電』をお持ち込みくださった高校生モデラー K-5 様 が、続いてホビージャパン12月号作例『初櫻』をお持ちくださいました!
今回もしびれますぞ!!

作品名  :1/700 日本海軍駆逐艦 初櫻
制作者様 :K-5 様
使用キット:ピットロード 1/700 橘

前回は、日本帝国海軍初の国産駆逐艦『初代 電』をお持ちくださいましたが、今回は、日本帝国海軍最後の駆逐艦となる『初櫻』です!
まずはこのキレッキレなディテールをご覧ください。
使用キットはピットロードの『1/700 橘』を使用していますが(これはこれでとても良いキットなのですが)、今回フルディテールアップにあたって『芯』にしかなっていません。
艦橋はフルエッチングの金属箱組に置き換え、武装各種も同じく。
リノリウム押さえもエッチング、張り線やもやい綱は伸ばしランナー(・・・何!?)と、徹底を極めています。
作業している船員エッチングパーツも表情豊かにポーズを付けられ、生活感・現実感たっぷり!
舷側の外版つなぎ目部分は、なんとガイドテープを当てて、デザインナイフで適切な力で当てることで、筋彫するだけでなく『外版の僅かなめくれあがり』が表現されています。

それではちょっとアップで見てみましょうか。
ほら、写真の真ん中に『弾薬箱』を開けている船員がいるのがわかりますか? これ、1/700ですよ!?
主砲である12.7センチ砲も、これエッチングキットです。ものすごい数の金属パーツを曲げて接着して、この1センチ足らずのパーツを作るわけですよ。
艦上に並べられている小物類にもご注目。
資材である材木、それにドラム缶が並べられているのがわかりますか? (頭の部分を白く塗っているのが目印です)
これはプラ棒から自作したとのこと。これがじつに効果的。
もちろん近くから見ても凄いのですが、遠くから艦を全体的に見た時に、このドラム缶の頭の色がチラチラと色数を増やし、密度感と情報量を圧倒的に高める効果を生んでいるのです。

さて、最後に模型ならではの贅沢!
K-5 様が作ってくださった『最初の駆逐艦 初代 電』と『最後の駆逐艦 初櫻』のツーショット!
当然ながら、『初代 電』は太平洋戦争の30年も前に除籍しているので、現実にはこの光景は存在し得ません。
まさに模型の世界だからこそ実現できた大変素晴らしい光景なのです。
(そして、この2隻をチョイスしたことが、K-5様の素晴らしいホビーマインドを体現していると強く感じます!)

それでは制作者様のコメントです。

ホビージャパン12月号に掲載させていただきました!
木箱や木材等の小物を多数配置し、情報量を増させると共に、輸送に特化した橘型のイメージを具現化しました。

そう、この駆逐艦『初櫻』は『二等駆逐艦』と呼ばれる『戦時量産艦』なのです。
戦前に整備した駆逐艦は、艦隊決戦に特化した強武装なものでしたが、こちらは対潜哨戒や輸送・護衛任務に特化した船です。
昔は二等駆逐艦の呼び名から、性能を犠牲にしたイメージがつきまとっていましたが、実際は技術向上によって非常にタフな防御力を備えた、必要十分な性能をもったバランスの良い船なのです。
生産性を高めるために直線を多用した艦橋や各部ラインは、やはり近代的な印象があり、それがまた『初代 電』のノスタルジックな姿と好対照でじつに面白い!

只今こちらの完成品2隻は、揃って横浜ショールームに展示中!
若き天才モデラーが織りなす、帝国海軍駆逐艦の過去と未来の軌跡をその目でお確かめいただける貴重な機会となります。
ぜひ実物の素晴らしさを店頭にてご覧ください!

それでは次の作品のご紹介でお会いしましょう!