名古屋ショールーム

複製材料はボークスにお任せ!「型取り複製実演」アフターレポート!!

 名古屋ショールーム 

皆さまこんにちは、ボークス名古屋ショールームです。

今回は11月5日(土)に行われた「型取り複製実演」のダイジェストレポートとなります。
模型工作において複製ができると同じパーツを複数作れたり、改造したりスクラッチしたパーツなどをレジンに置き換える事で強度を保ったり、塗装を容易にしたりと色々恩恵があります。
最近主流になりつつある3Dプリント出力品もイベントでの頒布や販売をしなくても強度や加工を考えて置き換えておくと色々捗りますよ。
ちょっとお金が掛かったり、一見難しそうだと敷居が高い感がありますが複製の工程自体は簡単ですのでぜひ覚えていって下さい!


それでは複製スタート!!
※シリコン硬化時間等の時短や説明の為に、複数のアイテムで型を用意しておりますが気にしないでね。
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まずは型の外郭を型取りブロックで作ります。
型取りするアイテムを置いて湯道(レジンを流す経路)や型ズレ防止のダボを打つことを想像して大きさを決めましょう。

決まったら粘土(ほいくねんど)を敷き詰めて土台を作ります。
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この段階で型枠ブロックを高く積み上げると作業し難いので3段くらい(アイテムの形状にもよります)で作業します。

出来たら次は複製したいアイテムを粘土で埋めていきます。
型抜きするアイテムの裏側などにシリコーンが入ってしまわないように、しっかり粘土で塞いでくださいね!
粘土で埋まった境界線がパーティングラインとなります。
重視する点は3点!
①二つに割った型で取り出しできる場所で埋めよう。
②キャストの流れる様子を脳内シミュレーションし、空気が溜まってしまう場所が出る(気泡ができる)位置を特定し逃がすように角度などを調整しよう。
③処理のし易さも考えて湯口やパーティングライン(分割線)の場所を設定しましょう。
アイテムの形状によって結構頭を使いますがここで間違えるとリカバリーが大変なのでしっかり悩みましょう!
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複製アイテムを配置したら湯道(レジンを流し込む経路)を作ります。
後からデザインナイフで掘っても良いのですが、5mmプラ棒などを使って大きな場所は予め作っておくと楽です。
先程の脳内シミュレーションの基づいて配置します、流し込みの位置は後で漏斗状に大きく掘るのでスペースは広めにとって下さい。
また外側には型ズレ防止のダボを作るのでギリギリにし過ぎないように!
ギリギリだとレジンを流した時に漏れる原因にもなり易いです。

今回の湯道はアンダーゲート型、上から注型して下からレジンを入れていきます。
上から入れることも可能ですが、下から徐々に水位を上げていくことで泡立ちにくく気泡を逃がしやすい方法です。
ゲートの長さの分レジンを余計に使いますが安全を取るなら一番いい方法です。

では、ダボを打ちましょう!
適度な数でOKです、デザインナイフの柄を使うとやり易いですよ。
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これで粘土埋め終了です。
続いてシリコーンを流していきますが、その前にもう一度型を凝視して粘土の境界線とレジンの流れ方を確認して万全を期しましょう!

大丈夫なら型取りブロックを積み上げていきます。
シリコーンの厚さはアイテムの頭頂部より最低アイテムの40%あると安心です、型取りの際にゴムバンドで止めたりクランプで固定する際の歪みに対する耐性がある程度得られます。

では、シリコーンの流し込みです。
造形村EXシリコーン蓋を開けるとシリコーンの上に透明の液体が浮いてることがあります。
これは必要な液体なので取り分ける前にしっかり混ぜて攪拌して下さいね、硬化不良の原因になります。

必要な分をポリビーカーに分けたら硬化剤を混ぜて攪拌します。
硬化剤は多くなってしまう分には問題ありません(硬化時間がは速くなる、倍入れると半分の時間で固まります)が、少ないと硬化不良を起こしますのでちゃんと量ってご使用下さい。
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気泡の流入を減らすためシリコーンを細くして少しづつ流し込みます。
初めに型を取るアイテムへ垂らして気泡がアイテムに付かないように薄くコートしてしまうと吉!

長し終わったら硬化までの6時間、水平な場所に置いて待ちましょう。
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待てるか―!!という事で予め硬化した奴を用意しておりました!
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裏返して粘土を剥がしますよ!
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ゆっくり慎重に剝がしていきましょう!
ここで豪快に粘土を剥がすとシリコーンに固定された型取りアイテムが剥がれたりします。
剥がれてしまうと元に戻してもシリコーンが入り込んだりして精度が下がったり、最悪元に戻せない場合もありますので要注意です。



※複製するアイテムが顔から前髪になっていますが気にしないで下さい。(湯道の説明の為です)
綺麗に剥がしたら今度はもう反面にシリコーンを流す準備としてバリアコートを塗布します。
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バリアコートは溶剤に膜となるものが溶かし込んであり、乾くと表面に膜ができてシリコーン同士がくっついてしまう事を防ぎます。

これを塗り忘れるとシリコーン同士は完全にくっついてしまって剥がすことは不可能となってしまいます。

くっついた場合はカッターやナイフで切って裂いていくしかなくなり、物凄い苦労をする事になりますので本当に気を付けて!(経験談)
またバリアコートは溶剤に溶かしている関係でプラスチックや発泡スチロール等を溶かします、溶けないものでも膜が付いて余計な厚みができたりしますので型取りアイテムには塗らないようにして下さいね。

乾いたらもう半面もシリコーンを流していきます。
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6時間後・・・な訳も無く完成品を別途用意しております。
硬化したら外枠の型取りブロックを剥がします。
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剥がしたらシリコーン同士の境界線から型を2個に割ります!
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ベリベリベリ...っとな!
複製アイテムを剥がして周りについている膜やシリコーンのはみ出しを取ったら「型取り」は終了です!


お次は注型、造形村EXキャスト(レジン)を流し込んで複製いたします。
5mmプラ棒で出来た道をカッターなどで余計な部分を切り取綺麗にします。
そして一番頭を使うであろうキャストの逃げ道制作です。
空気が溜まる場所から他の場所にナイフやデザインナイフで道を作り空気や気泡を逃がしてやる作業です。
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今回はピンクの部分を彫って道を繋げます。
1回でバッチリ完成!・・・とはなかなか行かないので、3回くらい調整しつつ完成に持っていければ御の字だと思います。

ではクランプで固定してEXキャストを流してみましょう!
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造形村EXキャストをそれぞれポリビーカーに移しA剤B剤を攪拌し硬化させます。
レジンはA剤とB剤で比重が違いますので同量ずつ混ぜるとA剤が余ってしまいます。
レジンは重量で量るようにして下さい。(同量でも量があれば普通に固まりますが少量だと硬化不良を起こす場合もあります)
あまり少量だと硬化熱が発生しずらく、こちらも硬化不良の原因となりますので小サイズのポリビーカーで2メモリくらいは使用したほうが安全です。
また、記載されている秒数は硬化開始までの時間になりますので手早く丁寧に混ぜましょう、ここで気泡をできるだけ抑えることも重要です。
攪拌にはプラ棒やポリプロピレン製のものを使用して下さい、割り箸は内包した水分によって気泡の原因になりますのでご注意ください。

木の板でクランプ!
クランプは100均です。木の板も100均です。板のシュリンクは剥がさないで使った方が長く使えるよ(ビニール被せて使ってもOK)!
ゴムバンドを使う場合もそうですが、締めすぎると型が変形しますので注意!
ゴムバンドの場合は中央にブロックなどで膨らみ防止を付けるといいかも!
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ポリプロピレン製の漏斗でも形状によっては固まったレジンが剥がし難いので詰まります。
シリコーン製の漏斗的なものを使うか、画像のように造形村ペーパーパレットを丸めて使うのが楽で経済的です(表面コートされてるので染みなくて使いやすく捨てるのも楽)。

準備ができたら造形村EXキャスト(レジン)をゆっくり注入していきます・・・。
季節にもよりますが早くて30分~45分程度の硬化時間が必要です。
それ以上早く抜くとまだ柔らかい状態ですので、取り出し時に曲がったり変形して、そのまま固まったりしてしまいます。


造形村EXキャスト(レジン)を流して・・・硬化を待って・・・抜いてみました!
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2カ所に湯流れ不良が見られました。
上手く流れるように、新たに道を足したり、道を広げたりと調整します。

もう一回!
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湯流れは綺麗に解消されました!
大きな欠損や気泡も無いのでこれでOKとしましょう!
シリコーンに気泡があって前髪に円いポッチが出来てしまっていますね、流し込みは慎重に!デザインナイフなどで整形して使いましょう。


こんな感じで型取り複製は終了です。
最後に作業時にはゴムorビニール手袋やマスク(防毒マスクが好ましい)を使用して下さい。
人によっては溶剤や成分によって手が荒れたり腫れたり、アレルギーになったりする場合もあります。
レジンキャストの硬化時に出る熱によってレジンの一部が気化して上昇します、吸い込み続けると健康被害となる事もあります。
たま~に複製する程度なら自己責任でしなくても構いませんが、ディーラーとして活動するので沢山複製する、改造などの模型生活で頻繁に複製する機会があるようなら防毒マスクを使用するようにして下さい。


さて、注意事項も多々ありますが、複製自体は楽しく、模型生活に新たな広がりを作ってくれる素晴らしいものです!
ここまで説明してきましたが、思ってたより簡単だと思いませんか?
複製するアイテムにもよりますが基本的な難易度は高くありませんので挑戦してみて下さいね!


ボークス名古屋ショールームでは皆さまの複製のお悩み、ご相談にもバッチリ対応!使用する用品工具も揃っております!
実際に複製したいパーツをお持ち込みいただければ型埋めのご相談もより具体的にお答えできますのでお気軽にご来店下さい。


さて、ボークス名古屋ショールームの今週行われる実演は↓

11月12日(土)14:00~ ■キャラグミン 瞳や服のデカール貼り実演(水着ver.涼風青葉・桜ねね の続き) 
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2体分ですが比較的短い実演になると思われます。
瞳デカールが上手くセットできない、デカール苦手という方、またデカールのお悩みなどにお応えいたします!


そして...
今後は以下の実演を予定しております↓

11月19日(土)14:00~ ■メカを塗るならファレホメカカラー! 筆塗りでガンプラ塗装実演
11月23日(水・祝)14:00~ ■キャラグミン ファレホ筆塗りポイント塗装実演(水着ver.涼風青葉・桜ねね 完成編)

現在の予定は以上となっております。
実演の観覧はもちろん無料!途中参加、途中抜けも大丈夫ですので、興味のある題材がございましたらお気軽にご来店ください。


また、ボークス名古屋ショールームでは塗装実演のリクエストを常時受け付け中です。
できるかぎりお応えしていきたいと思っていますので、皆様の「こんな実演見てみたい!」をお伝えください!


それでは! また次回のSRニュースでお会いしましょう!






©得能正太郎・芳文社/NEW GAME!!製作委員会
創作造形©造形村/ボークス