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【ファレホ】筆塗りの秘奥義!?NMM(ノンメタリックメタル)塗装で「剣」の質感表現を極める!【ワールドミニズ】

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皆さまこんにちは!
ファレホとミニチュアペイントを愛してやまない広島ショールーム店長のコウゾウです。


次回V.K.M.ペイントコンテスト9の詳細も発表され、いよいよ今週末から参加申し込み用紙の配布もスタート!

皆さまはどんな作品で参加するかもう決まりましたか?私も今回はどんな素敵な作品が集まるのか、今からワクワクしております!
そして今回のコンペ部門のテーマは「質感表現」


ということで本日は、VHF13号でも紹介されている筆塗りの上級テクニックの一つであるNMM(ノンメタリックメタル)塗装についてご紹介いたします!

まずは最近ミニチュアペインターを中心によく聞くワードNMM(ノンメタリックメタル)塗装とはなんぞや?ということで軽く説明させて頂きますね!

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NMM(ノンメタリックメタル)塗装とは・・・

メタリックカラー(シルバーやゴールド等)を使用せず、マット(つや消し)カラーによるハイコントラストな陰影の描き込みやグラデーションを用いて金属表現をする技法です。
この表現を使いこなすことで、小スケールの作品の質感の密度をより高めたり、特定の光源設定に応じてドラマティックな塗装表現が可能になります。

・・・という感じに油彩画のスーパーリアリズムなどにも通じる技法で、使いこなすことで「リアリズム以上のリアリズム」をミニチュアで表現することが可能となる素敵なテクニックです。

ただ正直、素晴らしい超絶作例を見ても何が何やら・・・凄すぎてどう塗ってるのかさっぱりわからん・・・という方も多いと思います。
ということで今回はできるだけ分かりやすいように、ビッグチャイルド社「剣鬼アラーナ(胸像)」の剣をミスリルっぽく塗る手順をまとめましたのでご覧ください。

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下地づくり

まずは特定の光源設定をする際におなじみのハイライトプライミング。
28012 ブラックプライマースプレー 400mlで全体を塗装したのち、28010 ホワイトプライマースプレー 400mlで一定方向から薄くコートします。
今回は右上に光源を設定したので、28010 ホワイトプライマースプレー 400mlを右上を中心に全体に柔らかく1回吹き付けたのち、右上方向からさらに1回吹き付けました。

NMMでは光の当たる位置を決め、そこからどのように光が反射するのか把握しておくことが重要です。

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ベース塗装~1stハイライト

①まずは塗りやすいように頭を外して70898 ダークシーブルーで全体を塗装していきます。
塗料の濃度は下地が透ける程度の非常に薄い状態を保ち、2回重ね塗りします。

②続いて70898 ダークシーブルー70905 ブルーグレーペールを1:1で混ぜ少し明るいハイライトを塗っていきます。

NMMのコツは基本的にすべて非常に薄い塗料で重ねていくことです。

光の当たる箇所については実物の写真を参考にする他、鍵やフォークなどの身近にある金属製品を観察するのもとても参考になりますよ。

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2ndハイライト

③ ②で作った色に70858 アイスイエローを1:1で混ぜ、より明るいハイライトを塗装していきます。
このとき濃い塗料で塗ってしまうと、境目がくっきりしすぎて違和感となるので非常に薄い塗料を意識してください。
濃くなりすぎた場合は指でのばすようにぼかしてあげるといいです。

④ 剣のエッジ部分(凸部分や刃の部分)に③の色でエッジハイライトを描き込んでいきます。
筆を寝かせて腹の部分でなでるように色を載せていくと上手くいきやすいです。
またこの際は、余分な箇所に塗料が流れない様に水分を控えめにしてください。

ハイライトを載せるときは慌てず、しっかりと乾燥させて何度か重ね塗りをすることで筆跡の目立たない美しいグラデーションを実現することができますよ。(乾燥が待ちきれない方はドライヤーを使って乾かすのもありです)

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3rdハイライト~1stシャドウ

⑤ ③で作った色に72001 デッドホワイトを1:1で混ぜ、一番輝いているハイライトを描き込んでいきます。
まずは細い線を描くようにして筆でシャープに描き込んでいき、つぎに引いた線に対して横方向にうすめたハイライトカラーでぼかします。


⑥ハイライトの向きや位置に違和感のある箇所に②~⑤を繰り返して修正しました。
さらにコントラストを強調する為、70939 スモークを水でしっかりとうすめて影の部分にフィルターをかけていきます。
明るい箇所と暗い箇所の落差が大きいほど、つまりコントラストが強いほどより輝いてみえるのでこの工程は非常に重要!

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仕上げ~ラストシャドウ

⑦角度を変えながら光の当たる位置を確認し、一番かっこいいと感じる光り方を探しながらハイライトとシャドウのバランスを調整します。慣れないうちは物理的に正しい光り方を求めるより、自分で見てかっこよければそれが正解という気持ちで塗りましょう!

⑧最後の仕上げ。影のもっとも暗い箇所に水でかなり薄めた70899 ダークプルシャンブルーを追加します。
影の部分のコントラストを強調し、より金属感を増すための隠し味です。

\そしてひとまず塗装し終えたのがこちら!/

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どうでしょうか?自画自賛ですが刀身はなかなかいい仕上がりになったと思います♪(乾燥待ちに暇だったので肌色のベースとか塗っちゃってるのはご愛嬌、ということで・・・)
今回はファンタジーっぽくミスリル風の青味強めの金属に塗ってみましたが、もっとスチール感を出したい場合は最後の仕上げは73201 ブラックウォッシュでやるといい感じになると思います。(原液で使うと濃すぎるので、水で薄めて使うとGood♪)

ということで今回は筆塗りでのノンメタリックメタル塗装のご紹介でした。
普通にメタリックを塗るよりひと手間もふた手間もかかりますが、その分仕上がりの特別感もひとしおです。
筆塗りの表現の幅をさらに広げる素敵な技法ですので、興味がある方はぜひチャレンジしてみてくださいね!


もっと詳しく知りたいという方はぜひコウゾウまでお気軽にお尋ねくださいませ♪

V.K.M.ペイントコンテスト9の参加申し込み用紙も現在店頭にて配布中ですので、ぜひ皆さまのご参加お待ちしております!

それでは次回のSRニュースもお楽しみに!