皆さんこんにちは!
ホビー天国2-3階担当スタッフです!
5月も下旬となりましたが、日中は30℃まで上がる日や急に雨が降る日など、天候が安定しない日が続いていますね。このような気候の場合は湿度が高くなるため、エアブラシ塗装される際には特に「湿気対策」が必須になります。梅雨前ですが「水吹き」対策として、ドレンキャッチャーやエアフィルターの装備がおすすめ!事前の対策で快適な塗装生活を楽しみましょう!
それではコンテスト作品のご紹介へと参りましょう!
今回も様々な力作が登場していますよ!「ファレホペイントコンテスト4エントリー作品紹介⑫」皆様是非ご覧下さい!
スタッフコメント:バンダイ ガンダムアーティファクトより、ウイングガンダムが登場。オリジナルカラーでの精密な塗り分けはもちろんのこと、山田化学 連結ディスプレイシリーズによる「格納庫」をイメージした台座も制作されています。キット本体は約55mmという小さな食玩ですが、高さのついた台座が作品全体にサイズ以上のスケール感をもたらしています。
ウイングガンダム本体はホワイトとグレーを基調としたカラーリングで塗装されており、まさに作品タイトル通り、戦場に"舞い降りた"かのような神秘的な存在感を漂わせます。ガンメタルで仕上げられた関節各部はアーティファクトらしい精密なメカディテールを際立たせ、天使のような美しさと工業製品としての重厚感がバランスよく散りばめられていますね。また、センサー類やウイング部分にはホログラムグリーンを使用されており、塗装面に見られる粒子感がまるでエネルギーの輝きを感じさせます。
台座となる格納庫には重厚なウェザリングが施されており、手頃なお値段のディスプレイキットとは見えない仕上りとなっています。そして神聖なオーラを放つウイングガンダムとの組合せで重量感だけでなくストーリー性をもまとった姿に生まれ変わらせています。
「くれ」様は筆塗りもファレホコンテストの参加も初めてとのことでしたが、塗りの一つひとつだけでなく全体の構成にも力を入れられた魅力的な作品でした。
スタッフコメント:「K」様が3作品目をお持ち込みくださいました!今回も複数部門へのエントリーありがとうございます!
ロボ、メカ部門より、ガンプラ HGキット3体によるジオラマ作品が登場。壊れたビルの陰から戦況をうかがう2体のガンキャノンと、正面からでは隠れていますがビルの背後には大破したザクⅡが配置されています。ジオラマの制作では主にトミーテックより発売のキットを使用されており、モビルスーツの戦闘で荒れ果てた市街地の様子が迫力満点に仕上げられています。
市街地の風景に溶け込むようなグレートーンで仕上げられたガンキャノンですが、よく見ると黄や茶を加えた迷彩模様も施されています。両肩のキャノン砲や関節部分、バックパックはシルバーの下地にグレーで塗装され、まだらに透けたシルバーが重厚な金属の質感を引き立てます。そして全身にはウェザリングマスターによる汚し表現が施されており、ススやサビ汚れに加えてキャノン砲先端の焼け跡まで、戦闘中の臨場感が詰まった仕上がりですね。
2機の足元には瓦礫や炎上する自動車、折れた街灯などが転がっており、よく見ると道路の白線もしっかりと描きこまれています。こうした細かな市街地の要素が隣り合うことで、モビルスーツという兵器のスケール感が一目で伝わってきまね。
次は作品を後ろから眺めてみましょう。まずは正面からでは確認できなかったザクⅡの姿が目に入りますが、すでに左腕と右足を失い戦闘不能となってしまっているようです。被弾部は配線や内部構造の断面がむき出しになった様子を作り込まれており、メカニカルな密度が感じられるアレンジですね。さらに断面にはオレンジを塗布して熱を帯びた状態を表現されており、破壊されてからまだ間もないことが分かります。足元に散らばる空薬莢も攻防の痕跡を静かに残していますね。
黄色い外壁のビルは後ろ半分が大きく崩れ、飛び出て折れ曲がった鉄骨が戦闘による被害を生々しく物語っています。また、細かな瓦礫がザクⅡの頭部や肩に降り積もっており、機体がビルへ倒れこむように激突したワンシーンが自然と思い浮かびますね。
モビルスーツと建物の配置、そして塗装や破壊表現の全てが一連のストーリーで結びつけられた作品でした。
スタッフコメント:前回のファレホペイントコンテスト3にてスタッフセレクト賞を受賞された「ブルック コバヤン」様が今回もご参加くださいました!ありがとうございます!
今回は1/100 ガンダムグシオンを使用され、漫画「プラモ狂四郎」に登場するパーフェクトガンダムをモチーフに改造されております。カラーリングはもちろんのこと、各種武装まで再現されており、グシオンのどっしりとした体躯にしっかりとパーフェクトガンダムの風格が落とし込まれています。
そして本作品はロボ、メカ部門にて「金賞」を受賞されました!おめでとうございます!
パーフェクトガンダムの豊富な武装は様々なジャンクパーツを用いて再現されています。右腕のダブル・ビーム・ガンは腕の形状に合わせてシールドと砲身を分離した状態で取りけられており、曲面で構成されるグシオンの装甲へうまく対応されていることがわかります。肩部大型キャノンはなんと百均で入手した電柱のミニチュアを加工されているそうで、すでに塗り分けられた状態では全く違和感がありませんね。
また、パーフェクトガンダムの特徴として忘れてはならない各部の"ケーブル"も再現されており、こちらはイヤホンケーブルを活用して組み込まれています。そして、狂四郎の機体として欠かせない狂四郎のエンブレム(マーキング)はシールドの代わりにシールドのカラーリングにされたハンマーに貼られています。プラモ狂四郎世代としてはなんとも嬉しいこだわりです。
パーフェクトガンダムとは似ても似つかない形状のグシオンですが、見事なトリコロールカラーの配色で再現されています。1/100スケールですが全て筆塗りとのことで、3回ほどの重ね塗りで各カラーを美しく発色させられています。全身の重厚感を引き立たせるチッピングにはスポンジを使用されているそうで、実際に擦り付けるようにしてウェザリングカラーを塗布することで、自然な塗装剥がれを表現されていますね。
各種武装から全身のカラーリングの再現まで、まさに"パーフェクト"に仕上げられた作品でした。
スタッフコメント:フリー部門より、ウォーハンマー「スペースマリーン ターミネイター・スカッド」とKingdom Deathのミニチュアによるミキシング作品が登場。アーマーパーツの一部と女性ミニチュアがぴったりと組み合わさり、パワードスーツの中の装着者がむき出しとなった様子を表現されています。メカの残骸が埋まる草むらのジオラマも自作され、「廃棄物の復活」をテーマに仕上げてくださいました。
作品タイトルにある「ネクロン」というのはウォーハンマーの世界に登場する勢力の一つだそうで、自己再生能力を持つアンドロイドという設定があります。「まぐね@がんのすけ」様はKingdom Deathのミニチュアを「ネクロン」とし、ターミネイターアーマーに両脚と左腕を接続させた状態を表現されています。
アーマーは、暗めの色からの立ち上げ塗装で重厚感を強調されています。関節やパイプ、左肩の紋章まで細かく塗り分けられており、むき出しとなったアーマー内部もしっかりと塗装されています。
素体部分(女性ミニチュア)の肌はファレホ プリムラ タンフレッシュカラーベースにペールフレッシュでレイヤー塗装を施してくださっており自然な陰影が表現されています。そして、女性の塗装では特にアイペイントに力を入れられたそうで、赤い瞳を細かく描きこまれています。約40㎜というサイズのミニチュアですが、凛々しく真っ直ぐな眼差しが伝わってきますね。
雑草の繁茂するジオラマベースの後方には大木が配置されており、どこか戦場とはかけ離れた静けさが漂っています。ターミネイターの隣には草や土に埋もれたメカの残骸が見られ、こちらも同シリーズのキットを使用されています。青い塗装がすっかり剥がれ落ち、オイルやサビ汚れが目立つ無惨な姿となっておりますが、「復活」をテーマにしたターミネイターとは対照的な演出が目を引きますね。
継ぎ目の無い見事なミキシングのみならず、小さいながらもウォーハンマーの世界観がぎっしりと詰まったジオラマ作品でした。
スタッフコメント:「機動戦士ガンダムユニコーン」より、HGUC ギラ・ズール(キュアロン機)が登場。ファレホ インクカラーを使用した煌びやかなキャンディ風塗装で仕上げてくださいました。コメントされているように、「きんたくんて」様は本作品の制作で初めてのエアブラシ塗装に挑戦されています。
初のエアブラシ塗装にしてキャンディ風塗装に果敢に挑まれており、インクカラーの"透明度"を利用した美しい塗装面はとても初挑戦とは思えない仕上がりですね!塗料の希釈や吹き付けの距離感など、一つひとつの工程を慎重にこなして透き通った塗装面に仕上げていったそうです。
また、胴体やスカートのブラック部分にはインク ブラックグリーンを加えつつ塗装されており、グリーン部分との統一感を持たせた配色を意識されてたそうです。
武装面にも艶やかな塗装面が見られます。シュツルムファウストは持ち手をガンメタル、弾頭をインクレッドによるキャンディ風塗装で仕上げられており、シールド裏も美しい光沢が目を引きますね。胴体や手首に見られる"袖付き"のエングレービングはマスキングではなく筆塗りでの一発勝負だったそうですが、シルバーによる鮮明なラインがしっかりとメリハリを感じさせます。
エアブラシ塗装初挑戦でありながらも、外装、関節、武装全てが輝かしい唯一無二のギラ・ズールを仕上げてくださいました。
スタッフコメント:ガールズフィギュア部門より、ガンプラと30MSのミキシング作品が登場。30MS オプションパーツセット「タクティカルコスチューム」とHGBD:R アルスアースリィガンダムを組み合わせた、「MS少女」がテーマの作品となっております。コメントされているように、「星野スグル」様は本作品の制作で「筆塗り」と「ミキシング」に初挑戦されているとのことです。
ミキシングでは脚部とバックパックにアルスアースリィのパーツを使用され、膝射のポージングがバッチリ決まっていますね。また、ビームライフルのアームカバーには左手が接続されており、30MSの素体でしっかりと発射時の構えを再現されていることが分かります。
素体のコスチュームはアルスアースリィに合わせて青や紺で統一されており、差し色としてゴールドを細部の色分けに使用されています。筆塗りを進めていく内に調色にも挑戦され始めたそうで、胸部のアーマーは青一色ではなく紫も加えて塗装されています。やや紫がかったアルスアースリィのアーマーと調和の取れた色合いに仕上がっていますね。
「ミキシング」と「筆塗り」という2つの初挑戦へ同時に取り組みつつも、バランスの取れたミキシングと統一感を意識したカラーリングで見事にオリジナルの「MS少女」へと仕上げてくださいました。
スタッフコメント:フリー部門より、バンダイのガシャポン「SDガンダムフルカラーステージ」のリペイント作品が登場。クリアケースを使用することで2機のザクとMSモビルスタンドのスペースコロニーを上下にディスプレイしています。ケース下に敷いた黒い紙と遠近法の効果もあって宇宙空間をバックに出撃するシーンが見事に再現されています。
まずは量産型ザクから見てみましょう。小さなガシャポンのため塗り分けには大変苦戦されたそうですが、モノアイはもちろんのこと、一体成形の右手とザク・マシンガンの塗り分けや、口元のダクトまで丁寧に仕上げられています。各モールドへ施されたスミ入れが本体色のグリーンに深みを与え、MSとしての重厚感も伝わってきます。
ジョニー・ライデン専用ザクはカーマインレッドを使用して「真紅」のカラーリングに塗装されています。頭部の動力パイプやジャイアント・バズは金属色による鈍い輝きが強調され、隣に並ぶ量産型とは一線を画す存在感を漂わせていますね。また、よく見ると動力パイプのスミ入れにはゴールドを使用されており、ガシャポン玩具でありながらも情報量の詰まった仕上がりが魅力的です。
懐かしのガシャポンを丁寧に塗り分けられ、SDサイズのザク単体でもディテールと重厚感が感じられる仕上がりになっているだけでなく、クリアケースを上手く活用したディスプレイで迫力ある情景を作り上げてくださいました。
スタッフコメント:ファレホペイントコンテストでは毎度「アーマード・コア」シリーズのキットでエントリーされている「zama」様が今回もご参加くださいました!ありがとうございます!
今回制作されたキットは、「アーマード・コアV ヴァリアブル.インフィニティ.」より、死神部隊のブルー・マグノリアの乗機「R.I.P.3/M」です。毎度ながら重厚感溢れる仕上がりに圧倒されてしまいますが、今回は塗り分けからウェザリングまで全て筆塗りで挑戦されています。
本キットはメインカラー(ダークグレー)とサブカラー(ブルー)が複雑に入り組んだ配色となっており、各部の塗り分けには苦労されたそうです。特に両手の武器や肩部のウイングなどはパーツ分割の少ない単色成形となっており、「zama」様はモールドや段差などを頼りに細かく塗り分けられています。パーツの形状や構造がより鮮明に視覚化され、緻密なディテールがしっかりと際立っていますね。
メインカラーは明度の異なる複数色のグレーが幾層にも重なり合っており、分厚い装甲の重量感が伝わってきます。サブカラーのブルーは全身のカラーリングとの一体感を意識し、やや彩度を抑えた落ち着きのあるテイストで仕上げられています。
本機の特徴であるブロック状の装甲は、金属色を用いてエッジ部分にチッピングを施されています。ダークスチールとライトスチールの2色によるドライブラシがウェザリングに奥行きを感じさせ、無骨かつ屈強な外見が強調された仕上がりとなっております。
筆塗りの仕上がりでこそ味わえる濃淡の変化や表面に残る筆跡が独特な質感を生み出し、金属の重みと戦場の匂いをまとった機体に仕上げてくださいました。
さて、今回のご紹介はここまで!
今後もコンテストの作品紹介を順次行なって参ります。是非次回をお楽しみに!