ホビー天国2-3階担当スタッフです。
4月も終わりが近づいていますが今年は寒暖差の日々が長く続いていますね。皆様も風邪などひかぬようお気を付けくださいね。
さて、早くもゴールデンウィークを楽しまれている方もおられるかと思いますが、皆様のご予定はお決まりですか?もしまだ決まっていないとのことでしたら、ボークス主催の「ホビーラウンド32」はいかがでしょうか。ボークスブランドの総合ホビーイベントとなっており、ホビー三昧の一日が過ごせるのでおすすめです!
それではコンテスト作品のご紹介へと参りましょう!
今回も様々な力作が登場していますよ!「ファレホペイントコンテスト4エントリー作品紹介⑥」皆様是非ご覧下さい!
スタッフコメント:大人気ミニチュアゲームゲーム ウォーハンマーより、全高200㎜を超える巨大キャラクター「グロットキン」が登場。
病魔に侵された三つ子の兄弟(オットー、エスラック、ガルク)で構成されたキットとなっており、メーカー公式設定にアレンジを加えた塗装で仕上げられた作品となっております。
まず目につくのは、一番大きい緑色の巨体(ガルク)ですね。その異様なまでに肥大化した体の、いたるところみ見られる「眼」に皆様お気付きかと思います。
これは、メーカー公式設定では病魔に侵された皮膚から膨れ上がった「イボ」となっているのですが、そのイボの造形を「Hiromiki」様は眼に変えられて、塗り込まれたのだそうです。
また爛れた皮膚からは、体液が滲みだしているかのようなピンク色の差し色も、ガルクの悍ましさを引き立てており、三兄弟の中では一番多くアレンジ塗装が加えられているキャラクターとなっております。
巨体ガルクの両肩には長兄オットー、次兄エスラックがそれぞれ乗っています。
メーカー公式設定では両兄ともそれそれ違う色合いなのですが、本作品での両兄はガルクと同系色で仕上げられております。もちろんこの両兄も一切妥協なく似り込まれており、小さい体型(75mmサイズほど)ながらも、その緻密な塗り分けが巨体ガルクにも引けを取らないほど禍々しい存在感を放っております。
同系色でまとめ上げられられた三兄弟は色彩の統一感だけでなく、まさに三位一体を表現したような仕上がりとなっておりますね。
スタッフコメント:続きまして、「Hiromiki」様の2作品目です。キメラモデルより、託宣者リアテが登場。リアテはパッケージイラストに沿った色合いで塗装されており、台座は草木が生い茂る水辺をモチーフに塗装表現された作品となっております。
「森の神の言葉を授かる託宣者」というリアテの設定を忠実に表現するかのように、衣服の塗装では草木の色合いを反映させた調色を施されています。
作品全体を落ち着いた色調で仕上げられており、リアテの持つ神秘性と森の奥の閑静な雰囲気を感させる絶妙なコントラストで仕上げられています。
リアテの台座は、メーカー公式設定では森の地面として描かれているのですが、「Hiromiki」様は台座表面の凸凹が波立水面のようにみえたとのことから「草木の生い茂る水辺」としてアレンジ塗装を施されています。
ブルー系の色彩で仕上げられた地面は、森の奥地にある泉の様ような雰囲気を醸し出し、作品全体に涼しさを感じさせる仕上がりとなっていますね。
スタッフコメント:さらに続けて「Hiromiki」様の3作品目になります。ヘラモデルより重装バーリンが登場、ファンタジーの王道 ドワーフ族の戦士を描いた作品となります。
頭頂部の様子とは裏腹に腰まで伸びた立派なおヒゲや、細かく入り組んだ装備品の模様など、どれも密度が高く見どころ満載の作品です。
ドワーフに欠かせない「髭」は、皆様も注目されるポイントの一つと思います。
「Hiromiki」様は、陰影を強く塗り込まれており、髭の重さや立体感が感じられるように仕上げられています。
またバーリンの顔にも陰影を強く反映させているため顔の彫りが深くなり、歴戦の勇士を感じさせる力強い表情が生み出されております。
背面から見ると、バーリンの装備や持ち物などが細かく確認できます。
「Hiromiki」様は、鎧の金属プレートや大きなショルダーアーマー、身の丈ほどもある斧や剣に金属の擦れや傷跡を描き込まれており、バーリンが何度も戦場へ赴いた形跡を表現されています。
また肩に乗った猫はバーリンのよき相棒となっており、安心して座っている姿からは、バーリンが屈強な戦士だけでなく優しさも持ち合わせていることがうかがえる作品となっていますね。
スタッフコメント:前回のファレホペイントコンテスト3にて、ガールズフィギュア部門で「銅賞」を受賞された「多幸」様が今回もエントリーしてくださいました!ありがとうございます!
今回はミニチュア作品初挑戦ということで、ゼロテよりラビリンス ミノタウロスが登場。まさにタイトル通り「怒りの雄叫び」が響いてきそうなインパクトのある仕上がりです。キット名の「ラビリンス」にちなんで、ミニチュア本体だけでなく迷宮の内部を表現したジオラマも制作してくださりました。
ミノタウロスの屈強かつ凶暴なイメージにさらに拍車をかけるように、肌は赤系をメインに陰影表現をされています。「多幸」様によると、こちらのミノタウロスは迷宮内のエネルギーによって通常よりも強化された状態だそうで、筋肉の造形がよりはっきりと力強く表現されていることが窺えますね。
ミノタウロスの持つ斧には、独特な模様の刻印が見られます。「多幸」様のコメント通りこちらの斧は呪具としての特性を強調するため、全身の色合いのアクセントとなるイエローで模様を塗り分けられたとのことです。
迷宮内部のジオラマは、鉄道模型用のジオラマ素材や厚紙を組み合わせてベースを作られています。そして本作品の中でも特に強烈なインパクトを誇るのが、このおぞましいほどに赤黒くリアルな血溜まりです。そしてその中から浮き出た4つの顔は、ミノタウロスと同じくこの迷宮のモンスターだそうです。グリーンスタッフワールド「割れたケルト人の遺跡」を使用されており、「多幸」様によれば前記したミノタウロスの"強化"に大きく起因しているのだとか...。
ミニチュア初挑戦にして、語り尽くせないほどの壮大なストーリーを絡めたジオラマとともに仕上げてくださった「多幸」様の作品でした。
スタッフコメント:前回のファレホペイントコンテスト3にて、ミニチュアペイント部門で「金賞」、モンスター部門で「銀賞」、そして「海外ミニチュアメーカーセレクト賞」にも受賞された「ぷらに」様が今回もエントリーしてくださいました!ありがとうございます!
Kingdom Deathより、Ringtail Vixenが登場。全高が5センチにも満たない大変小さなキットですが、塗り分けや質感の表現、ヴィネット風に仕上げられた台座など、サイズによる難易度などものともしない驚異の完成度です。
メーカー公式塗装見本やキット付属のイラストカードでは緑を基調とした衣装でしたが、「ぷらに」様は青系をメインとした制服イメージの配色で塗装されています。これほどの極小サイズでありながらも上着のシワやスカートのプリーツに着目した陰影表現や、帽子の文字や縞模様の塗り分けなど、さらにはアイペイントまで見事に仕上げられています。
後ろから見てみると、彼女の持つカバンに付いた可愛らしい装飾が目を引きます。「ぷらに」様によるとこちらのキットは元々狐をモチーフとしたものだったらしく、それに合わせて大きな尻尾も狐のイメージに近づくように塗装されたそうです。根元から先端への色の移り変わりが表現され、小さくとも狐の特徴をしっかりと反映させた仕上がりが感じられます。
非常に高精度な塗り分けに驚かされるだけでなく、小さな面積の中にも質感や陰影の要素を感じさせる完成度の高い作品でした。
スタッフコメント:続きまして、「ぷらに」様の2作品目です。ビッグチャイルドより、叡智の星イドリル(胸像)が登場。
服の下に透けて見える肌の表現やノンメタリック塗装を施した装飾、鷹の羽に見られる涼やかなグラデーションなど、まるで素晴らしい芸術品に出会った時のような魂が震える感動を感じてしまいます。
そして本作品は、ファレホペイントコンテスト4 ミニチュアペイント部門にて金賞を受賞されました!おめでとうございます!
胸部から腹部にかけて見られる肌の透かし表現は、もはやクリアレジンと見紛うほどの仕上がりですね。衣服のシワや体つきによる各部の透け具合の違いがはっきりと表れています。こちらは紫を下地とした生地の色とスキンカラーを交互に薄く塗り重ね、時には混ぜ合わせながら慎重に調整を繰り返していったそうです。
額と肩、腰に付けた装飾品には金属光沢が見られ、細かな造形一つ一つを鮮明に際立たせる見事なノンメタリック塗装です。腰の装飾品に埋め込まれた宝石も小さいながらも精密な仕上がりとなっており、反射光や透明度まで表現された美しい仕上がりです。
お次は後ろから。フードから腰下まで折り重なるようにして連なる服のシワは、青と白による絶妙なグラデーションで陰影が表現され、見ているだけでも柔らかい手触りが伝わってくるかのようです。
右手に乗ったタカも、緻密な仕上がりとなっております。白から青、尾羽の方は紫といったイドリルの衣服と同様のグラデーションで塗装されており、首元の装飾品も相まって神聖なオーラを漂わせます。
光源の存在を感じさせつつ統一された色使いに加え、金属や布、羽の質感の塗り分けなど、もはや芸術品といっても過言ではない仕上がりを見せてくださいました。
スタッフコメント:さらに続きまして、「ぷらに」様の3作品目です。モンスター部門より、リヴァイアサンとネズミたちによる戦いを描いたジオラマ作品でのエントリーです。ボークスより、塗るガレ リヴァイアサンとDragon Trappers LodgeよりTHE PROTECTORSを使用されており、ボードゲームやロールプレイングゲームの戦闘画面を彷彿とさせる作品です。
そして本作品は、ファレホペイントコンテスト4 モンスター部門にて銀賞を受賞されました!おめでとうございます!
5匹が一丸となって立ち向かうネズミたちですが、武器や防具のノンメタリック塗装や、なびく赤マントの陰影など、可愛らしい印象だけでなく戦士としての凛々しさも引き立った仕上がりです。それぞれの毛の色や、よく観察すると首元の宝石の色も異なり、皆一様ではなく異なる個性を持っている様が描かれていますね。
ネズミたちが対峙する「ボス」ことリヴァイアサンですが、「ぷらに」様は赤系カラーリングで塗られており、青系色の波とは対照的な色合いで仕上げられています。赤と青は互いに強調しあう色のため、躍動感や視認性の向上などの視覚効果も取り入れた仕上がりとなっております。
その注目すべき細かな鱗は、一つ一つを丁寧に筆塗りし、影が落ちる箇所にはエクスプレスカラーを使用されて立体感を出されています。
台座を兼ねている白波は、リヴァイアサンが巻き上げている波の激しさを一層強く表現しており、ボスらしい威厳と緊張感を感じさせる仕上がりとなっております。
ミニチュア一つ一つの塗りはもちろんのこと、見る人へゲームプレイ中のようなワクワク感を与えてくれる素敵な構図の作品でした。
スタッフコメント:更に「ぷらに」様4作品目のご紹介です!たくさんのエントリーありがとうございます!
カロル・ルディック アートより、妖女 シビラ(胸像)が登場。実はこちらのキットですが、前回のファレホペイントコンテスト3「海外ミニチュアメーカーセレクト賞」受賞の賞品なのだそうです。
早速そのキットを使用されて、再びコンテストにエントリーしていただけるとは大変喜ばしい限りですね!
そしてなんと!今回のファレホペイントコンテスト4でも「海外ミニチュアメーカーセレクト賞」を受賞されました!本当におめでとうございます!
やはり目を引くのはシビラの「肌塗装」ですね。
メーカー塗装見本では血色の薄い色白の肌となっており、陰影を強調しているため全体的に冷たい印象を感じさせられますが、「ぷらに」様は血色の良い健康的な肌で仕上げられていて、陰影を強調していないため温かな印象を感じさせます。
肌色にはピンク系、黄色系色を中心に使用されているため、つや消し表面にまるで「肌ツヤ」が見られるかのような美しい仕上がりとなっております。シビラの持つ挑発的な雰囲気と相まって、まさに妖艶な姿が生み出されていますね。
大胆にうねる長い髪は、鮮やかな色彩と緻密なシェーディングにより、細かな造形を一層引き立てています。滑らかなグラデーションが髪の柔らかさを表し、コントラストによって立体感や艶やかさが描かれています。赤色という色彩や、躍動的な造形からシビラの活発的な印象が感じられますね。
またシビラの美しさとは対照的に、鋭い造形のガントレットや装飾品は、コントラストの抑えられたノンメタリック塗装によって鈍い光彩を放ち、金属の確かな重みが伝わってくる仕上がりとなっております。
妖艶な雰囲気と品格を併せ持つシビラの魅力を表現された作品でした。
スタッフコメント:ファレホペイントコンテストでは毎度美少女ガレージキットでエントリーしてくださっている「円珠」様が今回もご参加くださいました!ありがとうございます!
『ウマ娘 プリティーダービー』より、トウカイテイオーが勝負服姿で登場。イベントディーラー「Decimation Masters」様のキットを使用されて、フリー部門でのエントリーとなります。いつもながらハイレベルなアイペイントはもちろん、今回はクリアレジンの透明感を活かした塗装に注力されており、疾走感や自信に満ち溢れたテイオーのイメージを存分に表現してくださいました。
アニメやゲームにおいてすでに多くの方が見慣れているテイオーの勝負服ですが、ご覧の通り公式設定よりも青みがかった爽やかなカラーリングで仕上げられています。そして「円珠」様独自のアレンジとして、左右の手袋にはカラフルな模様が描き加えられております。これは指先まで行き渡るエネルギーの伝導をイメージされて描かれており、キラキラと反射するネイルパーツがそのエネルギーに呼応しているかのような仕上がりですね。
前記した通りこちらのキットはクリアレジンが多用されたキットのため、足元のエフェクトパーツの他、髪の毛や尻尾にも透明度を活かした塗装表現が見られます。特に髪の毛は先端へ行くにつれて色が抜けていくようにグラデーションがかけられており、光の透過具合で密度の変化を表現されていることが窺えますね。
鮮やかな色合いの勝負服や、動きを感じさせるクリアレジンの塗装が絶妙にマッチし、活気溢れるテイオーの魅力に思わず見入ってしまう仕上がりでした。
スタッフコメント:前回ファレホペイントコンテスト3にもご参加くださった「M」様が今回もエントリーしてくださいました!ありがとうございます!前回に引き続き、鬼滅模型でのエントリーです。
フリー部門より、雷の呼吸の使い手、我妻善逸が登場。前回のコンテストにて「M」様の作品をご覧になった他のお客様からいただいたコメントにお応えするため、本作品の制作に取り組まれたとのことです。
善逸の特徴的なツートーンカラーの髪色ですが、「M」様は色分け済みパーツの上からご自身で調色された色を塗布されています。先端のオレンジ色は成形色よりもさらに彩度の高いオレンジで仕上げられており、全集中の善逸の表情と相まって、まるで雷を彷彿とさせる迫力を感じさせます。
隊服には黒一色ではなく透明イエローを混ぜ合わせており、黄色の羽織との調和を意識されています。衣装に善一のイメージカラーを反映させる色選びはさすがですね。そして上着のボタンや刀の装飾、草履などは本来付属シールで補う箇所ですが、こちらも細かく塗り分けられています。メタリックカラーを使うことで刀の重みがグッと伝わってきますね。
アニメーションの雰囲気が落とし込まれ、抜刀前の一瞬の静寂に詰まった緊張感や力強さを感じさせる仕上がりでした。
さて、今回のご紹介はここまで!
今後もコンテストの作品紹介を順次行なって参ります。是非次回をお楽しみに!