皆さんこんにちは!
ホビー天国2-3階担当スタッフです!
今年もいよいよ11月となり、年末がすぐそこまでやってまいりました。
そして「ファレホペイントコンテスト4」の詳細も発表となりまして、只今3Fレジにて参加申し込み用紙配布中となっております。どなたでもご参加いただけるコンテストなので、興味のある方はぜひともご参加ください。
コンテストについて何か分からないことがありましたら、スタッフに何でも聞いて下さいね。
それではコンテストの作品紹介へと参りましょう!
今回も様々な力作が登場しています!「ファレホペイントコンテスト3作品紹介⑩」ご覧ください!
スタッフコメント:ガンダムシリーズでは代表的な水陸両用MS ズゴックが、力士のカラーリングで登場。相撲モチーフのガンプラといった大胆な発想で、ロボ、メカ部門の中でも異色のエントリー作品となっております。
まずズゴックが力士のカラーリングで塗装された経緯ですが、機動戦士ガンダム第29話「ジャブローに散る!」にてシャア専用ズゴックがジムを一瞬にして葬るあの名シーンがきっかけだったそうです。ジムを貫いた瞬間のズゴックのポーズが相撲における土俵入りの型に似ており、同じポーズのままカラーリングの変更とジャンクパーツを使用したマゲの追加を施されています。まさかあのポーズから力士を連想するモデラー様がいたとは、我々スタッフも驚きです。
力士の肌色、髪の毛とふんどしの黒、そして爪の白といった三色で構成されたドスゴックのカラーリングですが、何とこれらの塗装面は全て筆塗りとのことです。ちなみに今回使用されたキットはシャア専用機で、下地は成形色のままで塗装されています。黒はともかくとして、比較的隠ぺい力の低い肌色をこれほどの面積にムラなく塗装するのは至難の業です。「HaMa」様は筆跡が残らないように約十回の重ね塗りを施したそうですが、もはやエアブラシでの塗装面と区別がつかないレベルに仕上がっております。
一見するとシンプルなカラーリングでしたが、筆ムラが一切見られない美しい塗装面からは、独特なアイデアを併せ持つ個性あふれる作品でした。
スタッフコメント:前回ファレホペイントコンテスト2にて、複数部門へエントリーしてくださった「シラカワマヨ」様が今回も参加してくださいました!ありがとうございます!
メタルギア ライジング リベンジェンスより、四足獣形状無人機 ブレードウルフが登場。イベントディーラー「MODEL SQUAD」様のキットを使用されて、設定イラスト寄りのカラーリングで塗装され、メタリックの硬質感あふれる作品となっております。
ブレードウルフの見どころとなるメインカラーのメタリックブラックは、シルバーを下地に使い、上からクリアブラックを何度も重ね塗りをして表現されているそうです。透けたシルバーのメタリック感が程よい輝きとなり、機械の重みを感じさせるリアルなに仕上がりになっています。
ゲームをプレイされた方はご存知と思いますが、ブレードウルフは主人公の雷電に合わせ、黒を基調としたダークなカラーリングとなっております。「シラカワマヨ」様は色数の少ないブレードウルフのカラーリングを、メタリックや光沢をメインに、関節部にはつや消しを使われて、全身にメリハリをつけた塗装で表現されています。
絶妙な色彩加減と、見事に調和のとれた質感が見ごたえある作品となっております。
スクウェア・エニックス「フロントミッション」ストラクチャーアーツシリーズより、カスタム機体が登場。同シリーズのグリレゼクスとゼニスDVをミキシングし、派生機体であるグリレゼクスHを意識しながら制作された機体です。通常のグリレゼクスよりマッシブで重厚感あふれるヴァンツァーに仕上がっています。
フロントミッションシリーズでは、ヴァンツァーと呼ばれる人型機動兵器をプレイヤー自身でカスタムして出撃します。「インディー上松」様は、ゲーム内のカスタムと同じような感覚でキットのミキシングを考えられ、プラキット化されていない好きな機体のグリレゼクスHをミキシングで作られたのだそうです。
また、ミキシングだけでは表現しきれない関節付近は「不自然な繋ぎ目が残らないよう」気を使って改造されており"無ければ作る"という挑戦心溢れるモデラー精神を感じさせる出来栄えとなっています。
カラーリングは落ち着いたグレーをベースとし、フロントミッションの世界観には欠かせないウェザリングも施されています。細かいモールドも丁寧にスミ入れされており、情報量が格段に引き上げられていますね。またカメラアイなどの発光部分にはファレホの蛍光オレンジを使用されているため、ブラックライトを当てれば起動状態を再現できます。
パーツの組み替えやカラーリングの変更など、実際のゲーム内でも可能なカスタマイズ機能を、プラモデルでも再現してくださった作品でした。
スタッフコメント:続きまして、「インディー上松」様の2作品目になります。アーマード・コア3 サイレントラインより、看板機体であるクレスト強襲型が登場。本機がオープニングムービーで見せた迫力の戦闘シーンを元に、「インディー上松」様が独自の解釈を交えて制作されています。
「アーマード・コア3サイレントライン(以下AC3SL)」のオープニングに登場するクレスト強襲型は、細身でありながらも重火器を装備しており、その独特なスタイルに魅了されたファンも多い看板機体となっております。
「インディー上松」様もクレスト強襲型に魅了された一人で、なんとオープニングCGのフォルムに近くなるように股関節の位置を改修されたとのことです。
先ほどご紹介したグリレゼクス同様に「インディー上松」様が見せるプロポーション改修技術の高さがうかがえますね。
AC3SLのオープニングCGは夜戦シーンを描いており、登場機体のカラーリングの判別が難しくなっています。そのため「インディー上松」様はクレスト強襲型を、独自解釈されたイメージの淡いカラーリングで本作品を仕上げられています。機体の要所に施されたチッピングや、ウェザリングによる適度な汚し表現がクレストの魅力を引き出しており、汎用機でありながらも主役機のような佇まいを感じさせますね。
また、本作品でもファレホの蛍光カラーを活用されており、センサー部分はもちろん、モノアイから滲み出る鋭い眼光も表現されています。
プロポーション改修からカラーリングの再現、さらにはブラックライトを当てることで蛍光カラーが光るといった仕掛けまで施されており、アーマード・コアファンにはたまらない作品でした。
スタッフコメント:ボークス主催のコンテストで過去複数回の受賞歴を持つ「Miki」様が今回もエントリーしてくださいました!ありがとうございます!
今回はデジタル原型師「タンノハジメ」様によるガレージキット「ワダツミ」を使用されて、モンスター部門でのエントリーとなります。驚くほどのリアルな仕上がりに、博物館で動物の剥製を目にしたかのような気分に浸ってしまいます。そして本作品は、ファレホペイントコンテスト3の最優秀賞を受賞されました!おめでとうございます!
この「ワダツミ」はイラストを元に塗装をされたとのことですが、「Miki」様はそのカラーリングを見事に立体造形に反映させています。
特に、体表に見られる自然な色のグラデーションは素晴らしく、まるで本物の生物であるかのような滑らかな質感を表現しております。
また鋭利な造形が折り重なるように並んでいる頭部は、一つ一つを筆塗りで丁寧に塗装されていて、岩肌のような硬質感を生み出しております。
大きく開かれた口は、体表とは逆に艶やかさを出していて、グロスバーニッシュの光沢加減が生き物らしさを表現しています。
インパクトの強い頭部に見入ってしまいますが、背びれのある後方部分の塗装も見逃せません。ドライブラシによって浮き彫りになった鱗は爬虫類のような質感を表現し、鱗の大きさと頭部のサイズの比較、そして体表のグラデーションの解像度の高さから、このワダツミがいったいどれほど大きい生き物であるかを想像させる仕上がりとなっています。
実在しないはずのこの龍を、まるで間近で見て観察されたかのような迫力ある塗装をされる「Miki」様の想像力と表現力は非常にすばらしく、見ている内にその全身像までもが目に浮かんでくる作品でした。
スタッフコメント:「行き詰まり」様が2作品目をお持ちくださいました。金色に輝くライオンがフリー部門にて登場です。こちらは海洋堂 ARTPLA 飼育員とライオンセットのライオンのみを使用されており、3種類のゴールドを使い分けて塗装されています。
ゴールドメタリックによって塗装されたライオンは、メーカー塗装見本とはまた違った美しさがありますね。
「行き詰まり」様はユニークな作品を作られることを得意とされていて、今までにも独創性のある作品を数多く制作されております。
今回は動物園での日常を再現したプラモデルキットを使われて、見事な金色の塗装を施した「金色のライオン」を制作されました。まるでヴェネツィア サン・マルコ寺院のゴールドライオンを思わせるような仕上がりとなっております。
ちなみに作品名は、同じくヴェネツィアの国際映画祭「金獅子賞」から由来しているのだそうです。
本作品はメカカラー ゴールドの単色塗りではなく、部位によってポリッシュドゴールド、グロリアスゴールドの塗り分けをされ、アクセントをつけた塗装をされております。
「行き詰まり」様は、ファレホのメカカラーのゴールドとゲームカラーのゴールドで少し色味が変わることに気づかれて、本作品の塗装に取り入れられております。
各部位ごとにそれぞれのゴールドを使い分けることによって情報量が高まり、短調にならない塗装で仕上げられております。常識に囚われない自由な発想が楽しめる作品でした。
スタッフコメント:続きまして「行き詰まり」様の3作品目のご紹介になります。ロボ、メカ部門よりM3A1 ハーフトラックが陸上自衛隊カラーで登場。ハセガワのキットを改造・塗装され、泥道を走る様子をジオラマ作品として仕上げられています。
車体の濃緑色はエクスプレスカラー コマンドグリーンを使用されており、陸上自衛隊車両らしい色合いに加え、車体の凹凸を際立たせるように陰影が生まれています。さらにブラックウォッシュで全体にウェザリングを施し、トーンを落としつつ重厚感を表現されています。ジオラマベースに合わせて前輪や履帯の泥汚れも抜かりなく施されており、実際に運用されている様子が目に浮かんできますね。
M3A1キット本来の姿は、車体屋根にM49機関銃が設置されていますが、「行き詰まり」様はこちらの作品が『輸送車』であることを強調するため、助手席の上のM49を外し、荷台は幌で覆っています。幌のパーツには元々M49を取り付けるための穴が開いていましたが、なんとこちらはファレホを染み込ませたキッチンペーパーで埋められております。幌の質感を意識した独特なアイデアですね。塗装は車体に合わせてデッキタンを使用されており、くすんだ色味がミリタリーモデルらしい渋さを引き立てております。
史実が存在するミリタリーモデルにもその創意工夫を惜しみなく発揮された「行き詰まり」様の作品でした。
スタッフコメント:なんとまたまた「行き詰まり」様がエントリーしてくださいました。これで今回のエントリー作品数が4つ目となります。たくさんのエントリーありがとうございます!
ミリタリー部門より、P-47D サンダーボルト"レイザーバック"が登場。HOBBY BOSS のキットを使用され、さらに別売りのデカールでノーズアートも施されています。二次大戦では兵士たちによるノーズアートが流行っていたそうですね。
機体色は実機に近付けて塗装されたそうですが、資料の写真からでは中々色が決まらず、その上ファレホの色数の豊富さも相まって、コメントにあるオリーブドラブを選び取るまでには大変苦戦されたそうです。また下地にはターナー 暗黒ブラックを使用しているため、プロペラ基部から覗く内装部分には外側からの光が透けることなく仕上がっております。
本作品のノーズアートに使用されたデカールはキット付属ではなくキッツワールドのものを使われております。
「行き詰まり」様は、実機の写真資料を参考に彩色されており、レイザーバックの難しい色味を見事に忠実な塗装で施されております。
実機を忠実に仕上げるための資料収集や塗装における試行錯誤など、これまで紹介した3作品とはまた異なる、「行き詰まり」様のこだわりの詰まった一面が感じられる作品でした。
スタッフコメント:ヘラモデルより、狂戦士ハーコン(胸像)が登場。光源の存在を感じさせるハイライトやグラデーション、ノンメタリック塗装に加え金属汚れの表現など、ミニチュアペイントにおけるあらゆる技法が余すことなく詰め込まれた情報量満載の作品です。そして本作品はスタッフセレクト賞を受賞されました!おめでとうございます!
こちらのキットは公式塗装見本が無いため、「Sinart」様はハーコンの鎧を銅製のものと想定してノンメタリック塗装をされています。銅という質感を表現する上で赤褐色を主に使用されている他、年季を感じさせる汚れやサビ、さらには金や銀製の物には見られない銅ならではの『青錆』も描きこまれております。こうした経年変化に着目した塗装表現は、そのキャラクターに個性やストーリーを考えさせる効果がありますね。
「Sinart」様のコメントにもありますが、ハーコンを斜め下から照らすように赤い光が当てられております。ミニチュアペイントにおいて、自宅にある照明を使用して斜め上から光を当て、実際にどのような影が落ちるのかを確認するといった手法はすでにご存知の方も多いと思います。しかし「Sinart」様はあえて光源を下に設定し、『怖い印象を強調する』というテーマに挑戦されました。メリハリのある明暗表現や細かいシワの描きこみなど、まるで生きた人間を目の前にしているかのような緊張感に包まれてしまいますね。
光源の位置による印象の変化を巧みに利用し、ハーコンが持つ狂戦士の威厳を見事に表現された作品でした。
スタッフコメント:新機動戦記ガンダムW Endless Waltzより、ウイングガンダムゼロEWが登場。MG Ver.Kaのキットを使用され、中破状態でツインバスターライフルを構える劇中終盤の名シーンを再現されています。そして本作品は、スタッフセレクト賞を受賞されました!おめでとうございます!
対核シェルターへの連続射撃シーンはガンダムファンにとって忘れられない『主役機が大破する』という衝撃的なものでしたが、「ミコト」様は視聴時の衝撃を感じたままにガンプラへ落とし込まれています。ナタクとの戦闘で負った傷をリューターによる削り込みで表現し、またMGだからこそ可能な内装フレームの露出で魅せる破損表現など、ガンプラのダメージ加工における数々のテクニックを発揮されています。
全身の傷跡やスス汚れにファレホを使用されており、スミ入れやウォッシング、スポンジによるチッピングを駆使して仕上げられています。エナメル塗料とは異なりファレホには成分上パーツ破損のリスクが少ないため、「ミコト」様は納得のいくまで存分にウェザリングを楽しむことができたそうです。
劇中の作画を意識したダメージ加工やウェザリングを施し、各部が破損した不完全な状態だからこそ感じられるウイングゼロの美しさを表現された作品でした。
さて、今回の紹介はここまで!
次回はいよいよ「ファレホペイントコンテスト3」最後の作品紹介となります。名残惜しいですが、みなさん是非次回をお楽しみに!